ここ数年の修了考査は合格率が下がっており、早め早めからの準備をしなければ合格することが難しくなっています。
そこで今回は私が合格した際の勉強法について紹介したいと思います!
※私はTACの修了考査対策講座を受講していましたので、以下の記載はその前提で書いています。
修了考査とは
修了考査は公認会計士試験の合格後、3年間の実務補修(短縮できる場合あり)の最後の受ける試験となります。この修了考査の合格と2年間の実務経験を満たして登録すると晴れて公認会計士となります。
12月の3週目の土曜日、日曜日の2日間で実施されるものです。
2022年は12月10日、11日の2日間で実施されます。
○試験日程 (試験日) (着席時刻) (試験時間) (試験科目)
令和4年度修了考査受験案内より
令和4年 12 月 10 日(土) 9:30 10:00~13:00 会計に関する理論及び実務
14:15 14:30~17:30 監査に関する理論及び実務
令和4年 12 月 11 日(日) 9:30 10:00~13:00 税に関する理論及び実務
14:15 14:30~16:30 経営に関する理論及び実務(コンピュータに関する理論を含む。)
17:15 17:30~18:30 公認会計士の業務に関する法規及び職業倫理
修了考査対策の全般的な話
各科目の勉強方法の前に修了考査対策の全般的な話を2つしたいと思います。
まず、1つ目ですが、全科目のテキストを一通り目を通して公認会計士試験では触れなかった論点、改正論点や忘却の彼方に行っている論点は1度講義で確認しました。
インプットについては答練が郵送されてくるまでには見終わっているのがベストかと思います。
なお、私は会計実務、税務実務、経営実務については明らかにインプットが足りていないと思われる論点があったので講義で確認しました。
監査実務や職業倫理については日々の業務で触れているところなので、基本的には答練中心の学習です。
2つ目は答練についてです。
監査法人勤務の人であれば、2週間の試験休暇(人によっては+1週間程度の有給休暇)をとる人が多いかと思われます。
一昔前は、試験休暇から勉強を始めて答練を回していけば受かるようなこともあったそうです。
ただ、近年の合格率の低下や過年度受験生の増加から、試験休暇から勉強を始めるのでは、最近の修了考査を攻略することは難しくなってきていると考えられます。
答練はなるべく早く着手しましょう。
私の場合は試験休暇に入る前に送られてきた答練についてはほとんど消化し、
試験期間では見直し、解きなおしするなど、調整期間として使い、新たなインプットは極力しないようにしていました。
会計実務の勉強法について
会計実務の勉強は主に3つです。
1つ目は、上の修了考査対策の全般的な話でも書いたように、テキストをパラパラっと見て、改正論点と忘れていた論点を講義で確認しています。
2つ目は、テキストの例題レベルは完璧にしておくということです。
これは、学習の中心は答練となるのですが、所謂ヤマがはずれたときにでも最低限の得点ができるようにするためです。
3つ目は、やはり答練です。
ひとまず、1回解いてみましょう。おそらく全然出来ません(笑)
でも、恐れることはありません。私も同期の合格者もみんな最初はボロボロでした。
ただ、答練に出ている論点については、その年のヤマとなる論点ですので、
答えを覚えてしまうくらいやり込む必要があるかと思います。
監査実務の勉強法について
監査実務の勉強法ですが、これは監査法人勤務の方であれば、
普段の仕事の延長であるので一番勉強し易い科目かと思います。
基本的には答練だけで十分かと思います。
ただ、修了考査を受ける年次では担当したことのある科目が限られているので、
私は「財務諸表監査の実務」という本で触れたことのない科目の監査手続などを確認しました。
この本は監査人が行なっている監査手続について具体的に書かれており、一般事業会社等にお勤めの方で監査実務に触れたことのない方にもオススメです。
余裕がある方は、「公認会計士試験「論文式」監査論 セレクト30題 」
の本もオススメです。
私は一周だけやりました。(公認会計士試験のときに使った方もいるかもしれませんが)
問題を見て、頭の中で簡単に答案構成を作ってから、解説を読むというやり方です。
ここまでやれば監査実務の勉強としては十分かと思います。
また、基準の読み込みをする方もいますが、私は一切やりませんでした。
これは、基準を読むだけだと全く頭に入ってこないので、時間のムダだと思ったからです。
それだったら答練等のアウトプットをする中で、覚えて行くほうが非常に効率的だと思います。
税務実務の勉強法について
この試験はおそらく税務一辺倒の試験といっても過言ではないかと思います。
なので、ここでしっかり得点することが大事です。
税務実務の勉強法は基本的には会計実務で書いた内容と同じですが、
相続税など初見の論点が多いこと、改正が毎年のように入るのでこの辺りは予備校の講義を見て確認しておいたほうが良いかと思います。
受験生のほとんどの時間を税務実務の勉強に費やすと思います。
私も公認会計士試験のとき租税法が苦手だったこともあり、勉強の時間の6割近くは税務実務に費やしていました。
経営実務の勉強法について
経営実務ですが、試験問題の前半は公認会計士試験の管理会計でやった財務諸表分析が中心です。
ここも答練中心の学習で大丈夫かと思います。間違えた指標については、しっかり復習しておいた方がいいです。
また、指標の意味も完璧に覚えておきましょう。
(このような問題は高得点勝負になるため、一つのミスが命取りになりかねないため。)
また、財務諸表分析の講義の中で解答の書き方を先生がおっしゃっているので、講義を一度聞いておいた方がいいと思います(私の受験したときは財務分析の最後の回でした)。
試験問題の後半はITに関する問題です。
主査をやっていない方は、おそらく会社のIT部門の方や監査法人のITチームの方と仕事をすることもないと思うので、初めて触れる論点ばかりだと思います。
そういう方は講義を1回見ておいた方がいいと思います。
ITの分野は重要な論点が繰り返し出題されることが多い分野で、出題されるサイクルがあります。
ここも答練を中心とした勉強で大丈夫です。(過去問研究は非効率であるため不要。専門学校の予想に委ねてOKだと思います。)
職業倫理の勉強法について
職業倫理については、基本的には答練を中心に勉強しました。(1回くらいだったような。)
分量も少ないですし、ここはしっかり解いておきましょう。
ただ、私はこの科目は監査実務とセットで勉強していたため、先ほど紹介した「公認会計士試験「論文式」監査論 セレクト30題 <第6版>」も合わせて利用していました。
まとめ
今回のまとめは以下の通りです。
- 新しく触れる論点、改正論点、忘却してしまった論点は講義で早めに確認しておく。
- 答練は試験休暇前に概ね消化する。
- 基本的には答練中心でよいが、会計実務や税務実務については例題レベルは網羅的に解けるようにする。
の以上3点です。
これからの時期は平日2時間、土日は5時間くらいできれば十分かと思います。
一人でも多くの方が合格できることを願っています。