「こどもNISAというものが2027年から始まるらしいけれど、具体的に何ができるのかよくわからない」「うちの子の口座開設は2026年10月からと聞いたけれど、今から何を準備すればいいの?」——子どもの教育資金づくりに関心のある方なら、こうした疑問を持っているのではないでしょうか。

こどもNISA(正式名称「こども支援NISA」)は、2026年度(令和8年度)税制改正によって新設される、0歳から17歳の未成年者を対象としたNISA制度です。2023年末で新規受付が終了した「ジュニアNISA」の後継にあたる制度で、2027年1月の制度開始に先立ち、2026年10月から各証券会社で口座開設の受付が始まる予定です。

この記事では、公認会計士がこどもNISAの制度内容を、開始時期・対象年齢・投資枠・払出しルール・旧ジュニアNISAとの違いまで、わかりやすく整理して解説します。

なお、本記事の内容は2026年度税制改正大綱に基づく執筆時点の情報です。こどもNISAは創設されたばかりの新しい制度であり、細かい運用ルールについては今後、政省令や金融庁・各証券会社からの案内で追加・修正される可能性があります。口座開設や投資の判断にあたっては、必ず金融庁や利用予定の証券会社の最新の公式情報をご確認ください。


こどもNISAとは?まず結論と全体像

こどもNISAは、これまで18歳以上(正確には口座開設年の1月1日時点で18歳以上)に限られていたNISAの年齢制限を撤廃し、0歳から17歳の子どもでも専用の非課税投資枠を使えるようにする制度です。子ども名義の口座で、保護者(親権者)が運用の手続きを行う形になります。

まず、制度の全体像を一覧表で確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 こども支援NISA(通称:こどもNISA)
制度開始日 2027年1月1日(予定)
口座開設受付開始 2026年10月1日から順次(証券会社により開始日が異なる場合があります)
対象年齢 0歳〜17歳(口座開設年の1月1日時点で17歳以下)
年間投資枠 60万円
非課税保有限度額 600万円
投資対象商品 つみたて投資枠の対象商品(金融庁の基準を満たす投資信託等)のみ
買付方法 積立(定時定額)のみ、一括(スポット)購入は不可
払出し 原則不可。中学校入学年(12歳)以降は教育費・生活費目的であれば非課税で可能
18歳到達後 自動的に成人のつみたて投資枠へ移行

以降の見出しで、それぞれの項目を詳しく解説していきます。


こどもNISAはいつから始まる?(2027年1月開始・2026年10月口座開設受付)

こどもNISAの制度自体がスタートするのは、2027年1月1日の予定です。実際に非課税での投資(買付)ができるようになるのは、このタイミング以降になります。

一方で、口座開設の受付は制度開始に先立って始まります。複数の証券会社が、2026年10月1日から口座開設の申し込み受付を開始すると案内しており、記事執筆時点でも大手ネット証券各社が同様のスケジュールを予告しています。

ここで注意したいのは、「口座開設の受付開始」と「投資(買付)の開始」は時期が異なるという点です。2026年10月に口座開設の申し込みをしても、実際に積立投資を始められるのは2027年1月以降になる見込みです。この間は、必要書類の準備や証券会社選び、積立設定の準備期間と考えておくとよいでしょう。


こどもNISAの対象者・年齢要件

こどもNISAの対象となるのは、日本国内に住む未成年者のうち、口座を開設しようとする年の1月1日時点で17歳以下(=18歳未満)の人です。この「1月1日時点」という基準の考え方自体は、旧ジュニアNISAから大きくは変わっていません。

その年に生まれた子ども(0歳)も対象に含まれるため、出生後すぐに口座開設を検討することも可能になる見込みです。口座開設や運用の手続きは、子ども本人ではなく、親権者などの法定代理人が行います。


年間投資枠・非課税保有限度額はいくら?

こどもNISAの年間投資枠は60万円、非課税保有限度額(生涯にわたって非課税で保有できる上限額)は600万円です。

参考までに、大人が利用する新NISAの「つみたて投資枠」は年間120万円、生涯の非課税保有限度額は1,800万円(成長投資枠と合わせた金額)となっており、こどもNISAはそれよりも小さい枠として設計されています。

単純計算では、毎年上限の60万円を積み立てた場合、10年間(60万円×10年=600万円)で非課税保有限度額に到達する計算になります。0歳から始めれば10歳頃、小学生の間に上限に達するイメージです。もちろん、無理に上限まで使い切る必要はなく、家計の状況に応じて無理のない金額で積み立てることが大切です。


投資できる商品・買付方法

こどもNISAで投資できる商品は、大人のNISAの「つみたて投資枠」と共通の商品ラインナップに限定されています。具体的には、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託など、金融庁が定める基準をクリアした商品のみが対象です。個別株式やETF、REITなどへの投資はできません。

買付方法についても、毎月など定期的に一定額を買い付ける「積立」に限定されており、まとまった資金を一度に投じる一括(スポット)購入は認められていません。

商品選びの基本的な考え方(信託報酬の低いインデックス型投資信託を軸にする、など)は、大人のNISAと共通する部分が多くあります。銘柄選びの基準について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。

新NISAの始め方とおすすめ銘柄
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払出し制限とその例外(教育費・生活費として使える条件)

こどもNISAには払出し(引き出し)に一定の制限が設けられています。原則として、非課税で運用益や元本を自由に払い出すことはできません。

ただし、中学校入学年(12歳)以降は、口座名義人である子ども本人の教育費・生活費に充てる目的であれば、非課税での払出しが認められる見込みです。これは、旧ジュニアNISAが原則18歳まで払出しを一切認めていなかったのと比べると、大きく緩和されたポイントです。なお、中学校入学前の期間についても、災害による被害など特別な事情がある場合は例外的に払出しが認められる方向で検討されているとする情報もあります。

一方で、「教育費・生活費目的」の具体的な判定方法や、条件を満たさない払出しをした場合の取り扱い(課税されるのか、手続き上できないのかなど)については、執筆時点で情報源によって詳細さにばらつきがあり、確定的な内容を断定できません。このあたりのルールは、今後の政省令や証券会社の案内でより具体的になっていくと考えられるため、実際に払出しを検討する段階で最新情報を確認することをおすすめします。


18歳になったらどうなる?(成年NISAへの自動移行)

子どもが18歳に達すると、こどもNISAで保有していた資産は、特段の手続きなしに自動的に成人のつみたて投資枠へ移行する見込みです。

この移行した資産は、成人になってから使える生涯の非課税保有限度額(1,800万円)の内数として扱われます。つまり、こどもNISAで積み立てた600万円分は、18歳以降の1,800万円の枠の一部を先取りして使う形になるイメージです。

旧ジュニアNISAでは、18歳(正確には18歳になる年の1月1日)を迎えると非課税のまま新NISAへ資産を引き継ぐことができず、課税口座(特定口座・一般口座)への払出しや売却が必要でした。こどもNISAでは、この点が「自動移行」という形で改善されています。


旧ジュニアNISAとの違い(拡充された点・縮小された点)

こどもNISAは、2023年末で新規口座開設の受付を終了したジュニアNISAの実質的な後継制度と位置づけられています。ただし、制度の中身は単純な延長ではなく、拡充された点と縮小された点の両方があります。

拡充された主なポイントは次の3つです。

  • 払出し制限の緩和:原則18歳までまったく引き出せなかったジュニアNISAに対し、こどもNISAは中学校入学年(12歳)以降、教育費・生活費目的であれば非課税での払出しが可能
  • 非課税保有期間の無期限化:ジュニアNISAは非課税期間が最長5年間だったのに対し、こどもNISAは保有している間はずっと非課税
  • 18歳到達時の自動移行:ジュニアNISAは課税口座への払出し・売却が必要だったのに対し、こどもNISAは自動的に成人のつみたて投資枠へ移行

一方、縮小された主なポイントも3つあります。

  • 年間投資枠の縮小:ジュニアNISAの80万円から、こどもNISAでは60万円に縮小
  • 投資対象商品の縮小:ジュニアNISAでは上場株式・ETF・REIT・投資信託など幅広い商品(現行の成長投資枠に近いイメージ)に投資できたのに対し、こどもNISAはつみたて投資枠の対象商品のみに限定
  • 買付方法の縮小:ジュニアNISAは積立・一括(スポット)購入のどちらも可能だったのに対し、こどもNISAは定時・定額の積立のみ

ジュニアNISAとの比較表

比較項目 ジュニアNISA(2023年末で新規受付終了) こどもNISA(2027年1月開始予定)
対象年齢 0歳〜17歳(口座開設年の1月1日時点で17歳以下) 0歳〜17歳(口座開設年の1月1日時点で17歳以下)
年間投資枠 80万円 60万円
非課税保有限度額 明確な上限額の定めなし(年間80万円の枠を何年利用できるかは口座開設時期による) 600万円
非課税保有期間 最長5年間(その後は18歳になるまで「継続管理勘定」で非課税保有可能) 無期限
投資対象商品 上場株式・ETF・REIT・投資信託など(現行の成長投資枠に近い幅広い商品) つみたて投資枠の対象商品(金融庁の基準を満たす投資信託等)のみ
買付方法 積立・一括(スポット)購入のどちらも可能 定時・定額の積立のみ
払出し制限 原則18歳まで払出し不可。違反すると過去の利益にさかのぼって課税されるペナルティあり 原則払出し不可だが、中学校入学年(12歳)以降は教育費・生活費目的であれば非課税で払出し可能
18歳到達時の扱い 非課税のまま新NISAへ移すことはできず、課税口座への払出し・売却が必要 自動的に成人のつみたて投資枠へ移行(特段の手続き不要)

ジュニアNISAの残高はどうなる?

すでにジュニアNISA口座で運用している資産がある方は、「この残高はこどもNISAに引き継げるのか」が気になるところですが、ジュニアNISAの残高をこどもNISA口座へ直接移管することはできない見込みです。

ジュニアNISA制度が終了した2024年以降、ジュニアNISA口座で保有している商品は、非課税のままいつでも払出しが可能になっています(ただし一部のみの払出しはできず、口座内の預り資産をすべて払い出したうえで口座を閉鎖する必要がある点に注意が必要です)。払出しをせずそのまま保有を続ける場合は、子どもが18歳になるまで「継続管理勘定」で非課税のまま保有を続けることもできます。

こどもNISAを新たに始める場合でも、ジュニアNISAの残高は残高として別枠で管理される(こどもNISAの非課税保有限度額600万円には含まれない)形になる見込みです。両方の制度を利用している場合の具体的な取り扱いについては、口座を保有している証券会社に確認することをおすすめします。

教育資金の準備方法全般については、以下の記事でも学資保険との比較を交えて解説していますので、あわせて参考にしてください。

学資保険と新NISAを比較|教育資金はどちらで準備すべきか公認会計士が解説 「子どもが生まれたら学資保険に入るもの」と思っていたけれど、最近は「学資保険よりも新NISAで積み立てたほうがいいらしい」という声も耳...

こどもNISAの始め方(口座開設の流れ)

2026年10月以降にこどもNISAの口座開設を検討する場合の、おおまかな流れを整理します。実際の手続き画面や必要書類は証券会社によって異なるため、あくまで一般的な流れとして参考にしてください。

ステップ1:保護者自身の証券口座・NISA口座を確認する

こどもNISA口座の開設には、多くの場合、親権者自身がその証券会社に総合口座(場合によってはNISA口座)を保有していることが前提となります。まだ証券口座を持っていない方は、こどもNISA口座の開設と合わせて、自分自身の口座開設も検討する必要があります。

ステップ2:証券会社を比較して選ぶ

こどもNISAを取り扱う証券会社を比較する際は、次のような観点を確認するとよいでしょう。

  • こどもNISAの対象商品のラインナップ(投資信託の本数・種類)
  • 積立設定のしやすさ(最低積立金額、積立頻度の設定など)
  • 保護者名義の口座とあわせて管理しやすいか(アプリやウェブサイトの使い勝手)
  • 口座開設・維持にかかるコスト

主要なネット証券各社が2026年10月1日からの口座開設受付を予告していますが、取扱商品やサービス内容は証券会社ごとに異なります。中でも楽天証券は、口座開設・口座維持費が無料で投資信託の取扱本数も豊富なうえ、楽天ポイントを使った投資信託の購入(ポイント投資)にも対応しており、こどもNISAをきっかけに初めて証券口座を開く保護者の方にも始めやすい条件が揃っています。すでに楽天証券がこどもNISAの取り扱いを予告していることもあり、こどもNISA口座の開設と合わせて、保護者自身の口座を楽天証券で開設しておくとスムーズです。

もちろん、他の主要なネット証券にもそれぞれ特徴やメリットがあります。取扱商品やサービス内容は変更されることもあるため、最終的な選択の前には各社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。

ステップ3:必要書類を準備する

こどもNISA口座の開設には、一般的に子どものマイナンバーが確認できる書類(マイナンバーカードや、マイナンバー記載のある住民票の写しなど)や、親権者の本人確認書類が必要になると案内されています。証券会社によって求められる書類が異なる場合があるため、事前に開設予定の証券会社の案内を確認しておくとスムーズです。

ステップ4:口座開設を申し込む

必要書類が揃ったら、2026年10月以降、各証券会社の案内に従って口座開設を申し込みます。申し込みから口座開設完了までには、通常のNISA口座と同様、一定の審査・確認期間がかかることが想定されます。

ステップ5:積立設定をして制度開始に備える

口座開設が完了したら、2027年1月の制度開始に向けて、積立商品・積立金額・積立日などを設定しておきます。制度開始と同時にスムーズに積立を始められるよう、余裕を持って準備しておくとよいでしょう。


よくある疑問(FAQ)

Q. 2026年10月からこどもNISAで投資を始められますか?

いいえ、2026年10月から始まるのは口座開設の「申し込み受付」です。実際に非課税での積立投資(買付)ができるようになるのは、制度が開始する2027年1月以降になる見込みです。

Q. 親のNISA口座と子どものこどもNISA口座は、非課税枠が別々ですか?

はい、別々の非課税枠として扱われる見込みです。保護者自身のNISA(年間投資枠合計360万円、生涯の非課税保有限度額1,800万円)とは別に、子ども1人につき年間60万円・生涯600万円の非課税枠を利用できます。子どもが複数いる場合、それぞれの子ども名義で口座を開設できると考えられますが、詳細は各証券会社にご確認ください。

Q. 祖父母が孫のために、こどもNISAの資金を出すことはできますか?

口座の開設・運用の管理は親権者が行うのが基本ですが、積立の原資として祖父母から子どもへ資金を援助すること自体は、一般的な贈与のルールの範囲内で可能と考えられます。ただし、まとまった金額を援助する場合は、贈与税の非課税枠(暦年贈与の基礎控除など)との関係を踏まえて検討する必要があります。この点は税務上の判断が絡むため、金額が大きい場合は税理士など専門家に相談することをおすすめします。

Q. 途中で全額を引き出す(解約する)ことはできますか?

中学校入学年(12歳)以降であれば、教育費・生活費目的での払出しが可能になる見込みです。それ以外のタイミングや目的での払出しについては、原則として認められない、あるいは詳細なルールが今後示される段階のため、現時点で断定的なことは言えません。実際に払出しを検討する際は、口座を開設した証券会社や金融庁の最新情報を確認してください。


まとめ

こどもNISAについて、本記事のポイントを整理します。

  • こどもNISA(こども支援NISA)は、2026年度税制改正で新設される、0歳から17歳の未成年者向けのNISA制度で、2027年1月1日の開始が予定されている
  • 口座開設の受付は、制度開始に先立って2026年10月1日から各証券会社で始まる見込みだが、実際の投資(買付)は2027年1月以降になる
  • 年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円で、投資対象はつみたて投資枠と共通の商品に限定される
  • 払出しは原則不可だが、中学校入学年(12歳)以降は教育費・生活費目的であれば非課税で可能になる見込み
  • 18歳に達すると、自動的に成人のつみたて投資枠へ移行する
  • 旧ジュニアNISAと比べると、払出し制限の緩和・非課税保有期間の無期限化・18歳到達時の自動移行という拡充点がある一方、年間投資枠・投資対象商品・買付方法は縮小されている

こどもNISAは2026年度税制改正大綱に基づいて創設が決まった制度であり、本記事の内容は執筆時点の情報を整理したものです。法案の成立状況や、その後の政省令・証券会社の案内によって、細かいルールが変更・追加される可能性があります。口座開設や実際の投資判断は、必ず金融庁や利用予定の証券会社の最新の公式情報を確認したうえで、ご自身の判断と責任で行ってください。

※本記事は一般的な情報を解説するものであり、特定の証券会社・金融商品を推奨するものではありません。投資は自己判断・自己責任で行い、最新の制度内容は金融庁や証券会社の公式情報をご確認ください。

【筆者プロフィール】現役監査法人勤務の公認会計士。CPAラボ(cpalabo.com)にて会計・簿記・キャリア・お金に関する情報を発信中。