青色申告の会計ソフト比較【2026年最新】弥生・freee・マネーフォワードを公認会計士が解説
「青色申告って会計ソフトがないとできないの?」「freee・弥生・マネーフォワード、結局どれを選べばいいの?」
副業・フリーランスとして初めて確定申告をする方から、こういった質問をよく受けます。
会計ソフトはあとから乗り換えることもできますが、青色申告で65万円控除を受けるには複式簿記(ふくしきぼき、取引を「借方」と「貸方」に分けて記録する記帳方法)での記帳に加えて、e-Taxでの電子申告(または優良な電子帳簿の保存)という条件を満たす必要があり、契約するプランによっては対応範囲が異なることもあります。最初の1本を選ぶ段階である程度比較しておくことには、それなりの意味があります。
この記事では公認会計士が、個人事業主・副業ワーカーに人気の高い弥生(やよいの青色申告 オンライン)・freee会計・マネーフォワード クラウド確定申告の3社を、料金・青色申告65万円控除への対応・使いやすさ・サポート体制という観点から中立的に比較します。私自身、公認会計士として監査法人に勤務するかたわら、ブログ・アフィリエイトの副業で会計ソフトを実際に使って青色申告を行っており、監査の実務では3社それぞれを使うクライアント企業の帳簿を日常的に確認しています。実際に使った経験と監査実務の両方の視点から、特定のソフトに偏らずそれぞれの強み・向いている人を整理しますので、自分に合ったソフト選びの参考にしてください。
なお、クラウド会計ソフトの料金プランは、キャンペーンや改定が行われることが多い分野です。本記事の金額は執筆時点で確認できた目安であり、時期によって変動する可能性があります。実際に申し込みを検討する際は、必ず各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。
青色申告に会計ソフトが必要な理由
青色申告で最大65万円の所得控除を受けるためには、主に次の2つの条件を満たす必要があります。
- 複式簿記で記帳すること
- e-Taxによる電子申告、または優良な電子帳簿の要件を満たして保存すること
複式簿記は、すべての取引を「借方(かりかた、左側)」と「貸方(かしかた、右側)」に分けて記録する記帳方法です。手書きやExcelでも不可能ではありませんが、仕訳(しわけ、取引を借方・貸方に分類する作業)のルールを理解したうえでミスなく記帳し続けるのは、初心者にとって簡単ではありません。
会計ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカードの明細、レシートのデータを取り込むだけで複式簿記の記帳が自動的に完成し、確定申告書類まで作成できます。青色申告65万円控除の条件であるe-Tax電子申告にも対応しているため、副業・フリーランスの確定申告に会計ソフトはほぼ必須といっていいでしょう。
なお、まだ「青色申告承認申請書」を提出していない方は、提出期限を過ぎると当年分は青色申告ができなくなってしまいます。期限や書き方は以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
日々の帳簿づけの基本(記録すべき項目や、手書き・Excel・会計ソフトの違い)から確認したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
会計ソフトを比較するときに見るべき5つのポイント
数ある会計ソフトの中から自分に合ったものを選ぶには、主に次の5つのポイントを比較するのがおすすめです。
- 青色申告65万円控除への対応:複式簿記での記帳・e-Tax電子申告(または優良な電子帳簿保存)に対応したプランかどうか
- 料金:無料期間・年額でいくらかかるか。プランによって使える機能がどう変わるか
- 簿記の知識がなくても記帳できるか:仕訳を自動で提案してくれるか、質問に答えるだけで入力できるか
- 銀行口座・クレジットカードとの連携:明細を自動で取り込めるか、対応している金融機関の数
- サポート体制:電話・メール・チャットで相談できるか、対応時間・回数に制限があるか
次の章から、これらのポイントをもとに弥生・freee・マネーフォワードの3社を比較していきます。
【比較表】弥生・freee・マネーフォワード クラウド確定申告
個人事業主・副業ワーカーに人気の高い3つの会計ソフトを表で比較しました。
| 項目 | 弥生(やよいの青色申告 オンライン) | freee会計 | マネーフォワード クラウド確定申告 |
|---|---|---|---|
| 運営会社 | 弥生株式会社 | フリー株式会社 | 株式会社マネーフォワード |
| 青色申告65万円控除への対応 | セルフ・ベーシックいずれのプランでも対応 | プランによって対応範囲が異なるとされ、契約前の確認が必要 | ミニプランもe-Tax電子申告に対応。消費税申告には上位プランが必要 |
| 料金目安(年額・個人向け) | セルフプラン11,800円前後・ベーシックプラン22,800円前後(初年度無償キャンペーンあり) | スタータープラン21,000円前後〜、上位プランは49,800円程度まで | パーソナルミニ10,800円・パーソナル15,360円(上位プランもあり) |
| 記帳のスタイル | 自分で仕訳内容を確認しながら入力する設計 | 質問に答えるだけで仕訳を自動提案。AIによる自動化を強化中 | 銀行・カード明細の自動取込を軸に、AIによる仕訳提案機能もあり |
| 銀行口座・カード連携 | ○ | ○ | ◎(3社の中でも強みとされる) |
| サポート体制 | ◎(電話・メール・チャット。プランにより回数制限あり) | ○(チャット中心。AIアシスタント機能あり) | ○(チャット中心) |
| スマホアプリでの操作 | ○ | ◎(スマホ完結を意識した設計) | ○ |
| 向いている人 | 初めての青色申告で、サポートを受けながら進めたい人 | 簿記の知識に自信がなく、スマホ中心で完結させたい人 | 銀行口座・クレジットカードの自動連携を重視したい人 |
※価格・プラン内容は執筆時点で確認できた目安です。各社とも料金改定やキャンペーンを行うことがあるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
3社それぞれの特徴とおすすめな人
比較表を踏まえて、3社それぞれの特徴とおすすめな人を詳しく見ていきましょう。
弥生(やよいの青色申告 オンライン)|サポートを受けながら進めたい初心者向け
弥生は、会計ソフト業界で長年の実績を持つ弥生株式会社が提供するクラウド会計ソフトです。個人事業主向けの「やよいの青色申告 オンライン」には、サポートなしで費用を抑えた「セルフプラン」と、電話・メール・チャットのサポートが受けられる「ベーシックプラン」があり、いずれのプランも初年度無償キャンペーンの対象になることが多いのが特徴です。
私が実際に使っていて感じるのは、入力画面がシンプルで、自分で仕訳の内容を確認しながら記帳を進められる点です。自動で仕訳を提案してくれる機能もありますが、freeeほど「質問に答えるだけ」で完結させる設計ではなく、複式簿記の基本的な流れを理解しながら使う形に近いといえます。監査の実務でも弥生を使うクライアント企業は多く、長年の実績への信頼感は3社の中でも高いと感じます。
サポート面では、ベーシックプランを選べば電話・メール・チャットと複数の窓口が用意されている点も安心材料です。初めて確定申告をする方にとって、「わからないことをすぐ聞ける」環境は重要です。一方で、freeeやマネーフォワードと比べると、初期画面の見た目はやや簡素な印象を持たれることもあります。
こんな人におすすめ
- 初めて青色申告をする副業・フリーランス1年目の方
- 自分で仕訳の内容を確認しながら、複式簿記の基本も押さえたい方
- わからないことがあったら電話・チャットですぐ相談したい方

freee会計|簿記の知識がなくてもスマホで完結させたい人向け
freee会計は、フリー株式会社が提供するクラウド会計ソフトです。銀行口座・クレジットカードの明細を取り込むと、質問に答えていくだけで複式簿記の仕訳を自動提案してくれる設計になっており、簿記の知識がほとんどない方でも記帳を進めやすいのが最大の特徴です。スマートフォンアプリも使いやすく、外出先でのレシート撮影・記帳もスムーズに行えます。2026年にかけてAIを活用した自動記帳や、OCR(画像から文字を読み取る技術)による領収書読み取り機能も強化されており、入力の手間を減らす方向の進化が続いています。
一方、公認会計士として監査実務でfreeeを使うクライアント企業の帳簿を見ていると、自動提案された仕訳をそのまま確定させてしまい、後から修正が必要になっている場面に出会うこともあります。自動提案はあくまで「提案」であるため、内容が正しいかどうかを都度確認する意識を持てるかどうかで記帳の正確さは変わってきます。この点は弥生・マネーフォワードを含め、自動仕訳機能を持つソフト全般にいえることでもあります。
また、プランによって青色申告65万円控除や消費税申告への対応範囲が異なるとされているため、青色申告を予定している方は契約前にどのプランが必要かを公式サイトで確認しておくと安心です。
こんな人におすすめ
- 簿記の知識にまったく自信がなく、質問に答える形で記帳を進めたい方
- スマートフォンでの操作・レシート撮影を重視したい方
- まずは無料プランやお試しで操作感を確かめてから決めたい方
 
マネーフォワード クラウド確定申告|銀行・カード連携を重視する人向け
マネーフォワード クラウド確定申告は、株式会社マネーフォワードが提供するクラウド会計ソフトです。銀行口座・クレジットカードとの連携機能が3社の中でも特に充実しているとされ、対応している金融機関の数が多く、複数の口座・クレジットカードを使い分けている方でも明細を自動で取り込みやすいのが特徴です。個人向けには「パーソナルミニ」「パーソナル」など複数のプランがあり、消費税申告が不要なうちはミニプランで費用を抑えることもできます。
家計簿アプリ「マネーフォワード ME」を使っている方も多く、複数の金融サービスをまとめて管理したいイメージに近いソフトです。近年はAIによる仕訳提案機能も強化されており、記帳の自動化という点では弥生・freeeと同様に進化が続いています。
一方で、機能が多い分、初めて使う方にとっては画面や設定項目がやや多く感じられることもあります。「まずはシンプルに青色申告を済ませたい」という段階では、パーソナルミニのようなシンプルなプランから始めるのがおすすめです。
こんな人におすすめ
- 複数の銀行口座・クレジットカードを使っており、自動連携を重視したい方
- 法人化や事業拡大も見据え、将来的に取引量が増えることを想定している方
- すでにマネーフォワード MEなど同社の家計簿サービスを使っている方

【タイプ別】あなたに向いている会計ソフトは?
最後に、重視するポイント別におすすめのソフトを整理します。
| 重視するポイント | おすすめのソフト |
|---|---|
| 初めての青色申告で、サポートを受けながら進めたい | 弥生 |
| 簿記の知識に自信がなく、スマホで完結させたい | freee会計 |
| 銀行口座・クレジットカードの自動連携を重視したい | マネーフォワード クラウド確定申告 |
| 自分で仕訳を確認しながら複式簿記の基本も理解したい | 弥生 |
| とにかく初期費用を抑えて始めたい | 弥生(初年度無償キャンペーン)・マネーフォワード(パーソナルミニ) |
| 将来的な法人化・事業拡大も見据えている | マネーフォワード クラウド確定申告 |
どのソフトも無料プランや無料体験・お試し期間を用意しています。実際に画面を触って操作感を確かめてから本格的に契約すると、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。
会計ソフトを使うときの注意点(公認会計士としての視点)
監査法人で数百社の決算書を見てきた経験からお伝えすると、会計ソフトの選択そのものよりも「正確に入力する習慣」の方が重要な場面が多くあります。ソフト選びで後悔しないために、次の点にも注意しておきましょう。
- 自動提案の仕訳を鵜呑みにしない:どのソフトも自動仕訳・AIによる提案機能を備えていますが、あくまで「提案」です。内容に心当たりがない仕訳や金額が大きい取引は、確定させる前に一度自分の目で確認する習慣をつけましょう
- 契約するプランが65万円控除の要件を満たすか確認する:青色申告65万円控除には、複式簿記での記帳とe-Tax電子申告(または優良な電子帳簿保存)への対応が必要です。安価なプランでは対応範囲が異なる場合があるため、契約前に公式サイトで確認しましょう
- 無料期間・キャンペーンの条件を確認する:初年度無償などのキャンペーンは対象プランや適用条件が決められていることが多いため、契約前に条件を確認しておくと安心です
- ソフト選びより入力の正確さが重要:どのソフトを使っても、入力が間違っていれば正しい決算書は作れません。逆にいえば、どのソフトを選んでも正確に入力する習慣さえ身につければ、税理士に依頼せず自分で青色申告を完結させることも十分可能です
e-Taxでの電子申告のやり方や準備するものは、以下の記事で詳しく解説しています。
「優良な電子帳簿」の要件など、電子帳簿保存法について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご確認ください。
会計ソフトの利用料自体は経費として計上できます。勘定科目の考え方は以下の記事で解説していますので、あわせてご確認ください。
なお、会計ソフトは日々の記帳・確定申告のための道具である一方、取引先へ請求書を発行する場面では請求書作成ソフトが役立ちます。両者の違いや無料で使えるサービスの比較は、以下の記事をご覧ください。
青色申告の会計ソフトに関するよくある疑問
無料プランだけで青色申告65万円控除は受けられる?
ソフトやプランによります。無料プランは白色申告や簡易な記帳を想定した機能に絞られていることが多く、青色申告65万円控除に必要な複式簿記での記帳・e-Tax電子申告に対応するには、有料プランへの切り替えが必要になるケースが一般的です。青色申告を予定している方は、契約前に無料プランでどこまで対応できるかを確認しておきましょう。
簿記の知識がまったくなくても使える?
freee会計のように、質問に答えるだけで仕訳を自動提案してくれるソフトを使えば、簿記の知識がなくても記帳自体は進められます。ただし、自動提案の内容が正しいかどうかを判断するには、複式簿記の基本的な考え方を少しずつ理解していくことをおすすめします。簡単な取引から慣れていけば、確定申告のたびに感じる不安は少しずつ減っていくはずです。
契約後に他社の会計ソフトへ乗り換えることはできる?
多くのソフトがCSV形式などでのデータエクスポート・インポートに対応しており、乗り換え自体は可能です。ただし、期の途中で乗り換えると、それまでの記帳データを移行する手間がかかる場合があります。できるだけ最初に比較検討したうえで1つに決め、年度の区切り(1月または開業のタイミング)で乗り換えるのが負担の少ない方法です。
白色申告から青色申告に切り替えるには、いつまでに何をすればいい?
青色申告を始めるには、税務署に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。新規開業の場合は開業日から2か月以内、すでに白色申告をしている方が翌年から切り替える場合は原則その年の3月15日までが提出期限です。詳しい書き方・提出方法は以下の記事で解説しています。
スマホだけで青色申告の記帳・申告を完結できる?
多くのソフトがスマートフォンアプリに対応しており、レシートの撮影や簡単な仕訳の確認程度であればスマホだけでも進められます。ただし、確定申告書類の最終確認や複雑な取引の入力はパソコンの方が作業しやすい場面もあるため、申告時期はパソコンも用意しておくと安心です。
まとめ
弥生・freee会計・マネーフォワード クラウド確定申告の3社を、公認会計士の視点で比較しました。
- 弥生(やよいの青色申告 オンライン):サポート体制が手厚く、自分で仕訳を確認しながら進めたい初めての青色申告向け
- freee会計:簿記の知識に自信がなくても、質問に答えるだけでスマホ中心に記帳を進めたい人向け
- マネーフォワード クラウド確定申告:銀行口座・クレジットカードの自動連携を重視したい人向け
3社とも、正しく使えば青色申告65万円控除の要件を満たす記帳・電子申告が可能です。最終的にどれを選んでも、正確に入力する習慣を身につけることが、節税と正しい申告への一番の近道になります。
青色申告の65万円控除は、税率にもよりますが数万円〜十数万円の節税効果が見込めます。会計ソフトの利用料自体も経費にできるため、実質的な負担はさらに小さくなります。
気になるソフトがあれば、まずは無料体験・無料プランから操作感を確かめてみてください。

 

※本記事の料金・機能情報は執筆時点のものです。各社の料金プラン・提供機能は変更されることがあるため、最新情報は必ず各社公式サイトでご確認ください。本記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。
【筆者プロフィール】現役監査法人勤務の公認会計士。副業のブログ・アフィリエイトで青色申告を自ら実施。CPAラボ(cpalabo.com)にて会計・簿記・キャリア・お金に関する情報を発信中。